ジオケミにLA-ICP-TOFMSの時代が来た...!!??


 
ちょっと奥さん!流行りはTOFMSよ!LA-ICP-QMSでマッピングしてる場合じゃないわよ!
 
という以下の論文。
Ubide, T., Caulfield, J., Brandt, C., Bussweiler, Y., Mollo, S., Di Stefano, F., ... & Scarlato, P. (2019). Deep Magma Storage revealed by Multi-Method Elemental Mapping of Clinopyroxene Megacrysts at Stromboli Volcano. Frontiers in Earth Science, 7, 239.
 
ストロンボリ火山で噴出した普通輝石の元素マッピングを報告してます。
 
 
著者サマのツイート↓で論文の存在を先日知りました。
やっぱり論文がパブリッシュされたらツイートでアピールしていく必要がありますね。
 
 
で、ICP-QMSとICP-TOFMSの特徴がわかりやすくまとまっていたのが以下の表。
 
 
なにしろTOFMSのマッピングは速い!ですね。
しかも23Naから238Uまでの全元素が測れる!
1.6*2.1 mmの範囲をマッピングするのに、スポットサイズは同じ20μm四方でもQMSでは元素数を11に絞っても180分もかかるのに対して、TOFMSではNaからUまで全部測ってもわずか10分の1の18分!
 
一方で気になるTOFMSの欠点もありますね。
まずLimits of detection(検出限界)がQMSに比べてだいぶ高いこと。数十倍の濃度がないと測れない模様。
これはdwell timeとの兼ね合いなのかもしれないですね。
 
また、Heガスの消費量が地味に多いのも気になるところですね。これはレーザーの違いなのか質量分析法の違いなのか…?
 
というわけで、この記事の冒頭で煽ったようにICP-QMSなんか止めてICP-TOFMSでやろう!!!みたいな単純な話ではないですね。
それぞれのマシンの特徴を活かして使い分けていきたいです。
特に、ICP-TOFMSで元素マッピングデータが大量迅速に得られる時代になったら、画像処理などのプログラムに突っ込んだりして、なんかこう、流行に乗ったディープななにかができたりしないかなーと妄想は捗ります。
そういったミーハーなトレンドを見逃さないようにしつつも、そもそも何の現象解明がしたくて元素測っているんだっけ?という、ジオい芯は失わないように研究していきたいですね。
 
 

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