問2 ベスブ石は磁鉄鉱と共存するか?
問1 ベスブ石は石英と共存するか?
— てるてる (@IWKRterter) February 28, 2022
問2 ベスブ石は磁鉄鉱と共存するか?
— てるてる (@IWKRterter) February 28, 2022
ベスブ石と石英の共存? -たぶんない
ベスブ石の組成は、Ca19Fe3+Al4(Al6Mg2)[O|(OH)9|(SiO4)10|(Si2O7)4]とかなりややこしいことになっています。これを結晶学的な構造を考えずに簡単に書くと、 Ca19Fe3+Al10Mg2Si18O62(OH)9 と表すことができます。
ベスブ石の組成において、カルシウムとケイ素の比率を見ると、Ca:Si = 19:18とカルシウムの方が多いことがわかります。これはなかなかです。
また、金属イオンの合計にするとM:Si=32:18となります。 これはM:Siがカンラン石の2:1に近く、ベスブ石がシリカに乏しい鉱物でもあることがわかります。
どちらかというと、ベスブ石はシリカに乏しいというよりもCaにめちゃくちゃ富むという方がポイントのような気がします。
CaMgSiO4
Ca:Si = 1:1
M:Si = 2:1
Ca2Al(AlSi)O7
Ca:Si = 2:1
M:Si = 4:1
単一の試料のなかにベスブ石と石英が両方入っていることは多々あると思いますが、その場合、境界部分には灰礬柘榴石Grossularや斜灰簾石Clinozoisiteなど中間的な組成の鉱物が生じているはずです。
ベスブ石と磁鉄鉱の共存? -たぶんこれもない??
さて、こちらの問題の方が少し難しいです。ベスブ石のカルシウムにめちゃくちゃ富むというところから考えてみると、Fe単体酸化物である磁鉄鉱との共存も難しいんじゃないかなと思います。
上記のベスブ石の組成を見ればわかるように、Ca:Fe = 19:1となり、めちゃくちゃFeに乏しい鉱物ということになります。
すると、磁鉄鉱との共存はやはり難しく、中間的な組成の鉱物として、緑簾石や斜灰簾石、灰鉄柘榴石、灰鉄輝石などが生じるように思われます。
Ca2(Fe3+, Al)Al2(Si2O7)(SiO4)O(OH)
Ca:Fe=2:1
Ca3Fe2[SiO4]3
Ca:Fe = 3:2
CaFeSi2O6
Ca:Fe=1:1
そういう傾向があるくらいのものです。
酸化還元やその他元素との兼ね合い等があるので、実際には"条件次第"としか言いようがありません。
考察するアテをつけるくらいにはなるとは思いますが、厳密に証明できる考え方ではないです。
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