地球物理学と地質学がしっかり協力しててすごい
ピルバラ地塊Pilbara cratonはまだしもイルガルン地塊Yilgarn cratonはフラットな地形の上にラテライト土壌や砂漠が10~20mくらい積もっているので露頭が全然ない。何を研究するのでも、重力探査、磁場強度探査、MT探査などによってテレーンバウンダリーや大規模変形構造を捉える事がかなり重要になる。
全岩Nd同位体比やZrn Hf同位体比を地図の上にコンターマップのようにプロットして議論することに何の意味があるのか今までかなり懐疑的ではあったが、この文脈で見るとたしかになあと納得が行った。
今日の発表でみんな爆笑の #たのしい太古代 の現実。砂漠やラテライト土壌のせいで、マジでこんな感じの大地よ。 pic.twitter.com/qmCsdO0ufN
— てるてる (@IWKRterter) July 28, 2023
IASの巡検参加してるが、カルチャーめちゃくちゃ違くて面白い。まずそもそも議論が地質図ではなくて地磁気や重力のマップで終始行われる#たのしい太古代 pic.twitter.com/oDrmZXaquS
— てるてる (@IWKRterter) July 22, 2023
いつの間にかZircon Ti-Ce-U oxybarometryが一般的になってた
2020年に出てたらしい。ジルコンの勉強から離れてしまったので見逃してたわ。てかこんな感じで指標提案が毎年のように出てくるので、この指標がこんな覇権勢力になってるとは知らんかった。Loucks, R. R., Fiorentini, M. L., & Henríquez, G. J. (2020). New magmatic oxybarometer using trace elements in zircon. Journal of Petrology, 61(3), egaa034. https://doi.org/10.1093/petrology/egaa034
主に中国勢が使っているが、オーストラリア勢もかなり使っている。
(Eu/Eu*)/Ybなる珍妙なマグマ含水率指標も提案されていて、みんなでTTG起源の議論に使ってた。
なんとなくロジックはキレイに見えるが、本当に大丈夫なのか不安は強い。
まぁCeアノマリー使いたくないとか、そういう気持ちが強いのはわかる。
まぁ世の中がそういう流れなら、それに乗って日本の顕生代の石でさっと後追いして綺麗にまとめて発表するのはありかもしれんね。
コマチアイトなど超苦鉄質岩中Cu-Ni sulfide depositは地殻由来の硫黄で油滴のようにできる
あまり馴染みがない話題だったが、PGM関連で興味はあった。資源系の人たちが充実した発表をしていて、鉱床の成因論としてはかなり完成しつつあって面白かった。
油滴のように、というのは比喩表現ではなくて、まじでアナログ実験してNature com,に論文出してた。すげえ。アナログ実験で論文出したい。かっこいい。 Iacono-Marziano, G., Le Vaillant, M., Godel, B. M., Barnes, S. J., and Arbaret, L. (2022). The critical role of magma degassing in sulphide melt mobility and metal enrichment. Nature Communications, 13(1), 2359. https://doi.org/10.1038/s41467-022-30107-y
スライドを共有してくれた人がいるので、リンクを貼っておく。他の発表スライドやYoutube動画もたくさん載っている。すごい圧倒的感謝。
https://research.csiro.au/magnico/workshops-and-resources/
リンク先PDF注意: https://www.aig.org.au/wp-content/uploads/2023/05/MEGWA-2023_LeVaillant_NiExploration_toshare.pdf
みんなμXRFとコアスキャナー使いまくり、薄片なんてold school geologyや
まじで薄片写真が出てこない。ごく一部の変成岩岩石学者だけだった。みんなコアX線スキャナーやμXRF使いまくってる。弊学でもガンガン導入しないとあかんな。
花崗岩分類を頑張る理由は金鉱床を探すため!
low-Ca graniteとかhigh-Ca graniteとかsanukitoidとかひたすら出てきた。サヌキトイドってそんなに人気だったっけ…サヌカイトじゃなくてサヌキトイドな。サヌキトイドは含水マントル部分溶融の指標になるので、鉱床ができやすいタイプの湿った火成活動の指標として注目されてるとのこと。 まぁ結局太古代の造山性金鉱床は二次的に動いてしまうので、火成活動の場所を特定してもさらに構造的な検討を重ねないといけないとのこと。やはり地球物理が大事になってくる。
コメント
コメントを投稿