EPMAの分光結晶 PET, LIF, TAPとはなにか


 

EPMA(電子プローブマイクロアナライザ)の分析ででてくる分光結晶のPET,TAP,LIF,LIFHって何の略称なんだろう?
ということでメモ代わりに記事にしておきます。

主に以下のJEOLのサイトなどを参考にしていますので見てみてください。
https://www.jeol.co.jp/words/semterms/20121024.072558.html

 

PET ぺっと

分光結晶のPETはpentaerythritol、ペンタエリトリトールの略称です。分子式はC(CH2OH)4 で、有機物の結晶ですね。
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01W0116-0058.html
なお、PETJはPETをJohann-type Crystal(ヨハン型結晶)もしくはJohannson-type Crystal(ヨハンソン型結晶)という、ローランド円の曲率に合わせて結晶を湾曲させて集光効率を上げたもののことだそうです。略してJ-typeなどと呼んでいる人が海外のフォーラムで見られました。
PETはペットボトルのポリエチレンテレフタレートではありません!

 

LIF りふ

LIFは lithium fluoride、フッ化リチウムの略称で、LiFという組成式で表せる無機物の結晶です。

X線分光だけでなく、ガンマ線や中性子線を測る熱ルミネッセンス線量計などにも用いられるそうです。

 

TAP たっぷ

TAPは、thallium acid phtalate、フタル酸タリウムの略称で、分子式はC8H5O4Tlと表せます。タリウムを含む有機物の結晶ですね。

タリウムといえば猛毒ですが、サッと調べたところではTAPがどの程度有毒なのか情報が出てきませんでした。

 

なお、LIFHやPETHのようなHのついたものははHigh-Order Crystal、LIFLやPETLなどLのついたものはLow-Order Crystalの違いを表すそうです。
Low-Order Crystalのものはローランド円の半径が大きく、波長分解能やピーク/バックグラウンド比が上がるようです。
High-orderのものはローランド円の半径が小さく、強度の高いシグナルを得られますが、分光可能な元素の範囲がやや狭いです。
https://www.jeol.co.jp/solutions/applications/details/XM2019-02.html

 


 

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